この記事にたどり着いたあなたは葬式に80デニールのタイツを履いていきたいけれどマナー的に良いのかなと悩んでいるのではないでしょうか。
寒い時期やタイツが透けるのを気になる方は80デニールなど厚手のタイツを選びたくなる方も多いのではないでしょうか。しかし、葬儀は故人に哀悼の意を表す場であり服装マナーが特に重視されます。
この記事では、デニール数ごとの印象や一般的なマナー、季節ごとの対応策を交えて詳しく解説します。80デニールのタイツを履いていきたいけどマナー的に良いのかわからない方はぜひ目を通してみてください。
葬式で80デニールのタイツはマナー違反?

フォーマルな場である葬儀では、服装マナーに注意が必要です。特に女性の足元は細かく見られるポイントであり、タイツのデニール数がマナー違反と見なされることも。葬式で80デニールのタイツがマナー違反になるのかどうかを、マナーの観点や季節別の対処法も交えて詳しく解説します。葬儀屋で2年アルバイトをしていた私が先輩から教えていただいたマナーや実際に参列される方が80デニールのタイツを履いていたのか体験談を交えながら皆さんにお届けします。正しい知識を持って、失礼のない服装で参列しましょう。
・葬式でストッキングはなぜ履くのか
・葬式で履くストッキングの色は?
・葬式で着れるデニール数はいくつまでなのか
・なぜ30〜40デニールが良いのか?
・どんなストッキングを選べばいいのか?ストッキング選びのポイントまとめ
葬式でストッキングはなぜ履くのか

葬儀に参列する際、「ストッキングは本当に必要なのか?」と疑問に思う方もいるかもしれません。特に夏場の暑い日や、冬場の防寒対策としてタイツを検討している場合、ストッキングの役割や必要性を理解しておくことは非常に大切です。
1. フォーマルな場にふさわしい装いの一部であるため
葬儀は、故人の死を悼み、遺族に哀悼の意を表す場です。そのため、服装は「格式」や「礼儀」を重視する必要があります。細かい部分にも気を配ることで、「心から弔意を示したい」という気持ちが伝わります。足元のマナーが不十分だと、たとえ服装の大部分が整っていても、印象を悪くしてしまうこともあるのです。
2. 肌の露出を避けることで、慎ましさと礼儀を示すため
葬儀では「控えめで慎ましい服装」が基本です。露出が多い服装や派手な装いは、不謹慎と受け取られることがあります。これは、葬儀という場の性質上、「目立たない」「周囲と調和する」服装が求められているからです。特に生足やヌードカラーのストッキングは、夏でも避けるのがマナーです。
葬式で履くストッキングの色は?

女性の喪服スタイルにおいては、黒いスーツやワンピースと同様に、黒いストッキングを着用することが正式な装いとされています。素足や柄付き、カラーのストッキングはカジュアルな印象を与えてしまい、「非常識」「マナーに欠ける」と見られる可能性があるため避けるのが無難です。特に年配の方が多く集まる葬儀では、細かな服装マナーまで目が行き届いていることが多く、装いへの配慮は大切な心遣いの一つになります。
全身を黒で統一することは、「喪に服す」という気持ちの表れでもあります。喪服や黒い小物類、そして黒いストッキングを含め、全体的に統一感のある装いを心がけることが、故人や遺族への敬意を表す一つの手段です。
黒いストッキングを着用することには、実用的な意味もあります。例えば、脚の色ムラや傷、あざなどを自然にカバーして、清潔感のある印象を与える効果があります。フォーマルな場では、見た目の清潔感や整い具合が非常に重視されます。ストッキングを履くことで脚元まできちんと整い、全体として品位ある雰囲気を演出することができるのです。
葬式で着れるデニール数はいくつまでなのか

デニールとは、ストッキングやタイツの糸の太さ=厚さを表す単位です。数字が小さいほど生地が薄くなり、大きいほど厚手で不透明になります。
葬式でふさわしいデニール数は「30〜40デニール」
葬儀の場では、一般的に30〜40デニールの黒無地ストッキングが最も適切とされています。この範囲のストッキングは、肌がうっすら透ける程度でフォーマル感があり、通年を通して使用できる厚さです。
デニール数 | 印象 | マナー的評価 |
---|---|---|
10〜20 | 非常に薄手で繊細な印象 | フォーマルには適しているが伝線しやすい |
30〜40 | 適度な透け感と上品さ | 最も無難で喪の場に最適 |
50〜60 | やや厚手、透け感が少ない | 冬場は許容範囲だが注意が必要 |
80以上 | 不透明、タイツに近い印象 | カジュアル寄りでマナー違反とされる可能性あり |
なぜ30〜40デニールが良いのか?

1. フォーマルにふさわしい透け感を持つから
30〜40デニールは、肌がうっすらと透ける程度の厚さで、上品かつ控えめな印象を与える絶妙なバランスです。完全に不透明なタイツではカジュアルな印象を与えてしまい、葬儀には不向きとされるため、この透け感が大切です。
2. 礼儀正しく、清潔感を演出できるから
葬儀の場では「控えめで清潔な服装」が求められます。30〜40デニールのストッキングは、足元に肌の露出を抑えつつ清楚な雰囲気を与えられるため、礼儀にかなった装いとして評価されています。また、脚のムラやあざなども自然にカバーでき、見た目の清潔感を保つ点も好印象です。
3. 季節を問わず着用できる汎用性があるから
30〜40デニールは、通年で使いやすいデニール数です。夏でも蒸れにくく、冬でも多少の防寒効果があります。葬式は突然の知らせで準備の猶予がないこともあるため、季節を選ばないデニール数を常備しておくと安心です。
4. マナー違反とされない「安全な選択肢」だから
80デニール以上の厚手タイツはカジュアルな印象が強く、場合によってはマナー違反と見なされることもあります。一方で、30〜40デニールのストッキングは、どの年代の参列者からも受け入れられる、最も無難な選択肢です。
- 肌の露出を控え、上品で落ち着いた印象を与える
- フォーマルな場にふさわしい透け感
- 無地・マット素材で清潔感がある
- 夏でも冬でも違和感がない
どんなストッキングを選べばいいのか?ストッキング選びのポイントまとめ

デニール数を選ぶポイントはなんとなく把握できたのではないかと思います。デニール数以外にもストッキングを選ぶ際のポイントがありますので解説していきます。マナー違反をしたくない方は是非参考にしてみてください。
葬式に適したストッキングは、次のような特徴があります。
項目 | 推奨内容 |
---|---|
色 | 黒(濃いめ・無地) |
デニール数 | 30〜40デニールが基本 |
素材・質感 | 光沢のないマット素材 |
柄・装飾 | 無地(ラメ・模様・レース入りはNG) |
上記の特徴のストッキングを守って選んでおけばマナー違反と思われることはないでしょう。特に「光沢がないこと」「無地であること」は重要です。派手に見える素材やデザインは、たとえ黒でもマナー違反とされることがあるので注意が必要です。
どうしても葬式に80デニールのタイツを履いていきたい方必見

ここまでの内容で80デニールのタイツはマナー違反になるのでなるべく避けるようにしましょうと解説してきましたが、マナーも大事だけど寒さには勝てない!という方もたくさんいると思います。その方々のために冬場や寒冷地での対策や防寒方法をお伝えします。
・防寒しつつマナーを守る方法とは
・例外がある場合も
・その他注意点まとめ
・実際の葬儀に参加している人たちのデニール数は?
防寒しつつマナーを守る方法とは

冬場は「寒いからタイツを履きたい」という方もいるでしょう。しかし、80デニール以上のタイツはカジュアルな印象が強く、基本的には葬式に不向きです。基本的には式場に入る前に30〜40デニールのストッキングに履き替えるのがマナーです。
とはいえ、防寒が必要な場面もあるため、いくつかその方法を紹介します。
方法 | 解説 |
---|---|
ストッキングの下に肌色インナーを重ねる | 脚の露出を抑えながら、外見上は薄手に見せられる |
会場に入る前に履き替える | 移動時はタイツ、葬儀会場ではストッキングにチェンジ |
厚手の30〜40デニールに近い見た目の「フォーマル用タイツ」を選ぶ | 不透明すぎず、光沢のないマットな素材を選ぶとより良い |
上記のような工夫で、マナーと防寒の両立が可能になります。
オススメは3つ目の厚手の30〜40デニールに近い見た目の「フォーマル用タイツ」を選ぶです。オススメする理由としては、ストッキングの下に肌色インナーを重ねることや会場に入る前に履き替える方法も効果的なのですが、ストッキングの下にインナーを履いたり会場に入る前に履き替えたりとひと手間必要になります。それに比べて30〜40デニールに近い見た目の「フォーマル用タイツ」を選ぶと家でフォーマルタイツを1枚履くだけでいいので手間もかからず、用意するものも少なく済むので非常にオススメです。
例外がある場合も

マナーよりも体調が優先されるべきときもあります。厳密なマナーを守ろうとするあまり、寒さで体調を崩してしまっては本末転倒です。たとえば雪国の冬や、屋外での葬儀など、環境によっては厚手のタイツが合理的とされることもあります。妊婦の方や高齢者、防寒が必要な真冬の地域では、やむを得ず厚手のタイツを履く場合もあります。その際も、できるだけマットで無地の黒タイツを選び、式場に入る前に履き替えるなどの配慮をすると良いでしょう。
無理をして30デニールのストッキングを選ぶ必要はないので、自分のその時の体調と相談して無理のない範囲でマナーと防寒を両立させるようにしましょう。
高齢の方、妊婦、冷え症のある方など、体調を優先せざるを得ない場合は、一般的なマナーよりも身体的配慮を優先して問題ありません。ただし、可能であれば式場に入る前に履き替えるなど、周囲への配慮を意識するとより丁寧です。
その他注意点まとめ

ここまで読んでいただいた皆様はすでに自分にあったストッキングを選ぶことができていることでしょう。これでマナー違反をしていないか気にすることなくお葬式に参列できるとおもっているそこのあなた。ストッキング選びだけでなく他にも注意したい点がいくつかあります。ストッキングはマナー違反がないように選ぶことができたのに、その他のことでマナー違反をしてしまうともったいないのでストッキングに関わるその他の注意点を確認しておきましょう。
1.フットネイルは落としておこう
フットネイルは、色や装飾によっては華美・派手・おしゃれを優先しているように見られがちであり、悲しみの場には不適切とされます。フットネイルをしている場合はお葬式の前に落としておくことを推奨します。あまり靴を脱ぐ機会はないとは思いますが、油断していると万が一靴を脱いだときに目立ってしまうとたかがフットネイルでもマナー違反がわかると不快に思う参列者の方や不謹慎と取られる可能性があります。
仕事やイベントでネイルが必要だった、ジェルネイルがすぐにオフできないといったどうしても落とすことができないときがありますよね。そんなときは以下のような対応でマナー違反を最小限に抑えましょう。
対処方法 | 詳細 |
---|---|
黒やベージュのパンプスでしっかり隠す | つま先が見えない靴を選ぶ(オープントゥNG) |
黒い靴下やストッキングを重ねる | フットネイルが透けないように対策 |
絆創膏やネイルシールで一時的にカバー | 応急処置として利用可能(目立たない色を選ぶ) |
ネイルオフシートで落とせる範囲は落とす | コンビニやドラッグストアでも購入可能 |
上記の対処方法で万が一靴を脱ぐ機会があってもマナー違反することなく葬儀に参列することができるので参考にしてみてください。
2.手や爪のコンディションを整える
ストッキングを履くときに最も大きな敵となるのが、自分の「手」です。とくに爪が長かったり、爪先が鋭かったり、指先にささくれがあると、ストッキングの繊維に引っかかって一瞬で伝線してしまうことがあります。こうしたアクシデントを防ぐためには、まず履く前に爪を短く整え、ヤスリで滑らかにしておくことが重要です。
また、手が乾燥してガサついていると、これもまた生地との摩擦の原因になります。特に冬場や水仕事の多い方は、事前にハンドクリームを塗って保湿しておくと良いでしょう。ただし、クリームの塗りすぎは滑ってストッキングがうまく履けなくなるので、薄くなじませる程度がベストです。
3. アクセサリーは外しておく
何気なくつけたままにしている指輪やブレスレット、腕時計などのアクセサリーも、ストッキングにとっては危険な存在です。特に指輪は、指に沿って動かすストッキングの生地に直接接触するため、爪以上に引っかかるリスクがあります。少しの引っかかりであっても、生地が引きつれて伝線や破れの原因になってしまいますので、履く前には必ずすべてのアクセサリーを外すようにしましょう。
4. ストッキングの履き方に注意
ストッキングを履くときには、まず全体を上から下へとたぐり寄せ、つま先部分がはっきりと見える状態にしてから履き始めるのが基本です。いきなり片足をズボッと入れて引き上げようとすると、生地に余計なテンションがかかり、引き裂けや引っかかりのリスクが高くなります。
たぐり寄せた状態で、まずはつま先にフィットさせ、次に足首、ふくらはぎ、膝、太ももと、少しずつ順を追って優しく引き上げていきましょう。このとき、力任せに引っ張るのではなく、生地が肌に吸い付くような感覚を意識して、丁寧に手を使って伸ばしていくことが大切です。
5. 左右均等に丁寧に引き上げる
片方の脚ばかりを一気に履き上げると、全体のバランスが悪くなり、履き心地や見た目にも影響します。また、ストッキングにはある程度の伸縮性がありますが、均等に引き上げなければ、その弾力が不均一になってしまい、どこかだけがきつかったり、逆に緩くてズレてしまったりということも起こります。
そのため、左右の脚を交互に、少しずつ引き上げながら調整していくことが、美しいシルエットを作るためのコツです。特に柄入りや着圧タイプのストッキングでは、この均等さが重要になります。
6. 靴を履くときにも慎重に
ストッキングを履いた後、靴を履くときにも油断は禁物です。つま先やかかとを靴に押し込むようにしてしまうと、摩擦で生地がこすれてダメージを受けることがあります。ヒールやタイトなパンプスなどを履く場合は、靴べらを使ったり、足を滑り込ませる角度を調整したりして、なるべくストッキングに負担がかからないように注意しましょう。
7. 万が一のための備えを忘れずに
どんなに気をつけていても、ストッキングはとてもデリケートなアイテムです。ふとした拍子に何かに引っかけてしまったり、思いがけず破れてしまったりすることは誰にでもあります。そうしたときのために、外出先や職場に1足予備を常備しておくと安心です。
また、伝線が始まってしまった場合には、その部分に透明のマニキュアやトップコートを塗ることで、伝線の広がりを一時的に止めることができます。あくまで応急処置ではありますが、急場をしのぐにはとても有効なテクニックです。
8. 履く前にストッキングの状態をチェックする
最後に、ストッキングを履く前には、一度裏返して全体の状態を確認しておくことをおすすめします。縫い目がずれていないか、目に見えないほつれや傷みがないかをチェックすることで、履いた後に気づくトラブルを未然に防ぐことができます。
特に新品のストッキングでも、製造時の小さなミスや保管時のダメージがあることもありますので、「新品だから大丈夫」と油断せず、確認を習慣化すると安心です。
9. ストッキングのサイズ選び
ストッキングを選ぶ際、「色」や「デザイン」に目が向きがちですが、実はもっとも重要なのは「サイズ選び」です。体にフィットしていないストッキングは、見た目にも履き心地にも悪影響を及ぼします。
たとえば、サイズが小さすぎると、生地に常に強いテンションがかかり、動くだけで伝線しやすくなるほか、太ももやウエストにくい込んで不快感を生むこともあります。また、逆に大きすぎると、ずり落ちてくる、足首や膝裏にシワが寄る、ヒールを履いたときに足先がもたつくなど、全体のシルエットが崩れてしまいます。
市販のストッキングには、「M」「L」「LL」などの表記のほかに、「身長」と「ヒップ」の目安が記載されています。身長に対してヒップサイズが大きめの方は、1サイズ上を選ぶなど、体型に合わせて柔軟に選ぶことがポイントです。
さらに、同じサイズでもブランドや素材によってフィット感に差があるため、日常的に履く場合はお気に入りのメーカーを見つけておくと安心です。「自分の体にぴったり合う一足」は、まるで肌の一部のように馴染み、美しさと快適さの両方を叶えてくれるのです。
実際に葬儀に参加している人たちのデニール数は?

私は2年間葬儀屋でアルバイトをして、たくさんの参列される方々を目にしてきました。私の感覚的には約9割の方が薄手のデニールを履かれていたように感じます。もちろんその中にも薄手に見える30〜40デニールに近い見た目の「フォーマル用タイツ」を履かれていた方もいらっしゃると思いますが、厚手に見えるデニールを履いていた方は1割くらいしかいないように感じましたので、妊婦の方や体調不良などといった例外的な理由がない限りは薄手に見えるデニールのストッキングを履いて参列されるのが無難ではないかと思います。
葬式に80デニールのタイツを履いていってもいいのかを総括
最後に記事のポイントまとめます。
✅️葬式でストッキングを履く理由
・フォーマルな場にふさわしい装いの一部であるため
・ 肌の露出を避けることで、慎ましさと礼儀を示すため
✅️ストッキングの色は黒色が正式な装い
✅️葬式でふさわしいデニール数は「30〜40デニール」
✅️30〜40デニールを選ぶべき理由
・フォーマルにふさわしい透け感を持つから
・礼儀正しく、清潔感を演出できるから
✅️葬式に適したストッキングの特徴
・黒色
・30〜40デニール
・光沢のないマット素材
・無地
✅️防寒対策は30〜40デニールに近い見た目の「フォーマル用タイツ」を選ぶのがオススメ
✅️高齢の方、妊婦、冷え症のある方など、体調を優先せざるを得ない場合は、一般的なマナーよりも身体的配慮を優先して問題なし
✅️他にも注意点がたくさんある
✅️約9割の方が薄手のデニールを履いている
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