突然の訃報を受け、慌てて喪服を引っ張り出し、香典や数珠の準備をするという経験は、多くの人にとって一度はあるものです。
その際、意外と迷うのが「男性は葬式にカバンを持っていってもいいのか?」という問題。葬儀という厳粛な場において、自分の服装や持ち物がマナー違反になっていないか、不安になる方も多いでしょう。特に男性の場合、普段からバッグを持ち歩かない人も多く、「手ぶらで行っていいのか?」「どんなカバンなら失礼に当たらないのか?」と悩みがちです。
この記事では、そんな疑問をスッキリ解決するために、葬儀における男性のカバンの必要性やマナー、選び方のポイントから、具体的なおすすめバッグの紹介まで詳しく解説します。
後悔しないために、そして故人やご遺族に対して失礼のないよう、ぜひ参考にしてみてください。
男性用カバンは必要?男も葬式にカバンを持っていく時代?

葬儀というのは人生においてそう頻繁に訪れるものではないため、いざ参列するとなった時に「何を持っていくべきか」「どんな服装や小物が適切か」といった基本的なマナーに戸惑う方も多いものです。特に男性の場合、日常的にカバンを持ち歩かないという人も少なくなく、「葬式には手ぶらでも良いのでは?」「そもそも男性がカバンを持つのは不自然ではないか?」といった疑問が生まれるのも無理はありません。本記事では皆さんの疑問にお応えできるように、男性用のカバンについて網羅的に解説していますのでぜひ目を通してみてください。
・男性は葬式にカバンを持っていくべきか?
・なぜカバンが必要なのか?
・葬式でNGなカバンの特徴
・葬式にふさわしい男性用カバンの選び方
・葬式に持っていってもいいカバンの種類とは
男性は葬式にカバンを持っていくべきか?

結論から申し上げると、男性も葬儀の場においてはカバンを持って行くべきです。もちろん「絶対に持って行かなければならない」といった強制力があるわけではありませんが、葬儀の場では実用性と礼儀の両面から見ても、カバンを持参することが望ましい行動であると言えます。適切なデザインのカバンを持っていくことで、見た目の整え方や所作がスマートになり、マナーをきちんと理解している印象を与えることができます。
「カバンを持つ男性=マナーを理解した大人」と評価されやすい
一般的に、葬儀などのフォーマルな場では「身だしなみ=社会常識の現れ」とされます。つまり、身につけるものや持ち物ひとつひとつが、その人の人間性や礼儀作法を映し出す鏡なのです。そのような場でカバンを持たず、香典袋やスマートフォンをポケットに押し込んでいる姿は、時として「準備が甘い」「マナーを知らない人」として見られる可能性すらあります。
シンプルで控えめなフォーマルバッグを携えている男性は、それだけで「場にふさわしい装いができる人」「常識をわきまえている人」という印象を与えることができます。とくに目上の方や仕事関係の人がいる葬儀の場では、細部まで気を配ることで、あなたの品格や信頼度が高まることは間違いありません。
なぜカバンが必要なのか?

1. 葬儀には意外と多くの持ち物が必要。カバンがあればスムーズに対応できる
葬儀という場面では、必要となる持ち物が少なくありません。たとえば香典袋や数珠、ハンカチ、スマートフォン、財布、場合によっては替えのマスクや折りたたみ傘なども必要になるでしょう。これらをすべてスーツのポケットに詰め込もうとすると、スーツのシルエットが崩れてだらしない印象を与えかねませんし、香典袋を折ってポケットに入れてしまうことはマナー違反とされることもあります。
また、葬儀は時間が長引いたり、式の前後で移動が発生したりすることもあり、荷物の管理をするうえでカバンがあると非常に便利です。必要なものをひとまとめにしておけることで、物を落としたり忘れたりするリスクも減ります。準備が整っていることは、それ自体が“礼儀正しさ”の一部なのです。
つまり、「カバンを持つ=準備が整っている大人の証」なのです。
2. 女性はほぼ確実にバッグを持参している。男性だけが手ぶらでは違和感がある
女性の場合、葬儀の場であってもほぼ例外なくフォーマルバッグを持参します。黒いレザーや布地のコンパクトなハンドバッグなど、見た目にも落ち着いた印象のバッグを自然に取り入れており、それがもはや「当たり前のマナー」として根付いています。
一方で、男性だけが手ぶらで参列していると、周囲から浮いてしまうことがあります。「なぜこの人だけバッグを持っていないのか」「準備が足りないのでは」と思われてしまうリスクがあるのです。性別に関係なく、フォーマルな場ではTPOに応じた持ち物を準備することが求められます。その意味で、男性もきちんとしたフォーマルバッグを持参するのが自然かつ理想的な振る舞いと言えるでしょう。
葬式でNGなカバンの特徴

葬儀は、単なるフォーマルイベントではなく、故人を悼む場です。
そのため、場にそぐわないカバンを持っていくと、自分だけでなく周囲の人にも不快感を与えてしまう可能性があります。とくにバッグは目に付きやすく、選び方を誤ると「非常識」「配慮に欠ける人」という印象を与えかねません。葬儀という場では、派手さ・カジュアルさ・無頓着さはすべてNGです。バッグも例外ではなく、全体の服装と調和し、場の雰囲気に溶け込むような「控えめで落ち着いた」デザイン・色・素材を選ぶことが大切です。「バッグくらい何でもいい」と軽視せず、葬儀にふさわしい持ち物を選ぶことで、あなた自身の人柄や気配りが自然と伝わります。大人のマナーとして、ぜひ意識してみてください。
葬儀にふさわしくないカバンの例と理由を表にまとめました。
NGなカバンのタイプ | なぜNGなのか |
---|---|
ブランドロゴが大きく入ったバッグ | ブランドの主張が強いと「不謹慎」や「場違い」と受け取られることがあります。ロゴや装飾は葬儀の場にはふさわしくありません。 |
金具が目立つビジネスバッグ | 金属の光沢や装飾が目立つことで、華美な印象を与え、哀悼の意が感じられなくなる可能性があります。シンプルなものを選びましょう。 |
リュックサック | 両手が空いて便利な反面、カジュアルさが前面に出てしまい、フォーマルな場では相応しくありません。社会人としての常識を疑われることもあります。 |
ナイロン系やカラーのあるトート | 光沢感のあるナイロンや色の主張がある素材は、ビジネスやカジュアルな用途には適していても、葬儀ではマナー違反となる場合があります。 |
大容量バックパック | 大きすぎるカバンは葬儀会場で邪魔になりがちです。人混みの中では迷惑になり、見た目にも不自然です。 |
1. 【派手な装飾やブランドロゴが目立つバッグ】
大きな金属パーツ、光沢の強い素材、スタッズ、リボン、チェーン装飾、あるいはブランドのロゴが大きくあしらわれたバッグなどは、華美すぎて葬儀の場にそぐわないとされます。故人を偲ぶ静かな場において、こうした装飾品は「目立ちすぎる=空気を読めていない」と見なされ、マナー違反となることがあります。
たとえば、ルイ・ヴィトンのモノグラム柄や、グッチのGGロゴ入りバッグなど、日常ではおしゃれなアイテムであっても、葬儀では不適切とされます。自己主張の強いアイテムは控えるのが大人の礼儀です。
2. 【明るい色やカラフルなデザインのバッグ】
葬儀では、身につけるもの全般に「地味で控えめな色」が求められます。基本は黒一択。濃いグレーや紺でもギリギリ許容される場合もありますが、ベージュ・白・カーキ・赤などの明るい色味のバッグは完全にNGと考えたほうが良いでしょう。
色彩が明るいバッグは、たとえデザインがシンプルでも「お祝い事のような印象」を与えてしまう可能性があります。服装と合わせて、バッグも沈んだ色合いで統一することが重要です。
3. 【カジュアルな素材(ナイロン製リュック、デニム、キャンバスなど)】
リュックサック、スポーツバッグ、ナップサック、キャンバス地やデニム素材のトートバッグなどは、明らかに日常使いのカジュアルアイテムであり、フォーマルな場にはふさわしくありません。
「両手が空いて便利だから」「荷物が多いから」とリュックで参列するのはマナー違反とされることが多く、特に年配者からは失礼と見なされる可能性が高いです。どうしても両手を空けたい場合は、黒の肩掛けできるブリーフタイプなど、ビジネスに準ずる形式を選びましょう。
4. 【大きすぎるバッグ(旅行カバン・ボストンバッグなど)】
旅行用の大きなボストンバッグやキャリーケースのようなサイズ感のカバンは、葬儀の場では過剰であり不自然な印象を与えます。会場内に置くにもスペースを取りますし、周囲への配慮に欠けると見なされかねません。
どうしても宿泊を伴う遠方の葬儀で大きな荷物が必要な場合は、式場ではサブバッグに必要最小限の荷物だけを入れて持参し、大きな荷物はクロークに預けるなどの配慮をしましょう。
5. 【使用感が強すぎるボロボロのバッグ】
いくら素材や色が適していても、汚れや傷みが目立つバッグはNGです。革が剥がれていたり、角がすり減っていたり、チャックが壊れていたりすると、だらしない印象を与えます。
葬儀は「身なりを整えて故人と向き合う場」であり、物の清潔さや丁寧さ=その人の心の表れと受け止められることもあります。フォーマルな場に使うバッグは、常に状態良く保つか、専用のものを1つ用意しておくのが理想的です。
葬式にふさわしい男性用カバンの選び方

では、どのようなバッグなら失礼にならず、かつ機能的に使えるのでしょうか?選び方のポイントを詳しく見ていきましょう。まず最初に、葬儀に持っていく男性用バッグには、明確なマナーとふさわしい条件があります。選び方の前提として、以下のポイントを抑えておきましょう。
条件 | 内容 |
---|---|
色 | 黒が基本(ネイビーやグレーは避けるのが無難) |
素材 | 本革、合皮、ナイロンなど落ち着いた質感のもの |
デザイン | 装飾のないシンプルな形。ブランドロゴも目立たないもの |
サイズ | 小〜中サイズ(香典袋・数珠・財布が入る程度) |
持ち方 | 手提げ、クラッチ、セカンドバッグ型などが理想。肩掛けは避ける |
色
「黒」が絶対的な基本とされています。ネイビーやダークグレーなど、見た目には落ち着いた色味でも、光の当たり方によって明るく見えてしまう可能性があるため、避けるのが無難です。葬儀の場では、できる限り目立たない色を選ぶことが、周囲への配慮として重要です。
素材
本革や合成皮革(合皮)、あるいは上質なナイロンなど、マットで落ち着いた質感のものが望ましいとされています。反対に、光沢のあるエナメル素材や、カジュアルな雰囲気を持つ布製、キャンバス地のバッグは、弔事の場にふさわしくありません。華やかさを連想させる素材は避け、あくまでも控えめな印象を心がけましょう。
デザイン
全体的に装飾を排したシンプルなものが理想です。金具やファスナーなどの金属部分が必要以上に目立つものや、大きなブランドロゴがあしらわれているものは、たとえ高級ブランドであっても、葬儀の場では不適切とされる場合があります。必要なのは“自己主張”ではなく、“場の雰囲気に溶け込む”控えめなデザインです。
サイズ
葬儀で持参する荷物は多くありません。香典袋、数珠、財布、スマートフォン、ハンカチといった最小限の持ち物が収まる、小〜中サイズのバッグが適しています。出張用やビジネス用途の大きなバッグ、あるいは旅行カバンのようなサイズ感のものは、明らかに不釣り合いであり、控えるべきです。
持ち方
最後に、持ち方についても配慮が必要です。葬儀では、手提げタイプやクラッチバッグ、セカンドバッグといった、手で持つ形式のバッグが好まれます。反対に、ショルダーバッグやリュックサックなど、肩や背中にかけるタイプのバッグは、カジュアルな印象を与えてしまうため、フォーマルな場ではふさわしくありません。
以上のように、バッグ一つを選ぶにも細やかなマナーが存在します。細部にまで心を配ることが、大人としての品格を表す大切な要素であることを忘れずに選びましょう
葬式に持っていってもいいカバンの種類とは

1. セカンドバッグ(クラッチバッグ)
セカンドバッグ、またはクラッチバッグは、男性用のフォーマルバッグとして非常に高い評価を受けている定番アイテムです。コンパクトながら、必要なものをきちんと収納できる絶妙なサイズ感が特徴で、特にスーツスタイルとの相性も抜群です。
また、手に持つことで身体全体のシルエットをすっきりと見せてくれるため、喪服姿をより洗練された印象に引き立ててくれます。
✔ おすすめの場面: 家族葬、一般葬、社葬など、形式を問わず幅広く対応可能。特に持ち物が少ない場面に最適です。
2. フォーマルブリーフケース(A4未満の小型タイプ)
ビジネスバッグとしても使われるブリーフケースの中でも、A4サイズよりも小さく、全体がシンプルで黒一色に統一されたモデルであれば、葬儀の場でも使用することが可能です。特に手提げ部分がしっかりしていて自立可能なデザインであれば、式場内での置き場所にも困らず、スマートな所作を保つことができます。
収納力もクラッチバッグよりやや高いため、香典袋や数珠に加えて、折りたたみ傘やマスク、手帳なども持参したい場合には適した選択肢となります。
✔ おすすめの場面: ビジネス関係の葬儀や格式の高い社葬など、やや厳粛な場に参列する際に適しています。
3. ナイロンやレザーのシンプルトート(ロゴ無し)
トートバッグというとカジュアルな印象がありますが、シンプルで装飾のないデザインであれば、実用性を兼ね備えた選択肢として一定の需要があります。特に、ナイロンや上質なレザーで作られた、黒一色でロゴの目立たないものを選ぶことで、葬儀の場に溶け込むことができます。
大きめの書類や折り畳み傘、マスク、消毒用品など、荷物がやや多めになる場面では重宝します。ただし、あくまで「装飾のないシンプルさ」が前提です。
✔ おすすめの場面: 通夜や移動を伴う遠方の葬儀、雨天時など、実用性を重視したい状況におすすめです。
人気の男性用カバンを紹介!葬式でかっこいい男に見られるカバンとは?

ここまで読んでいただいた皆さんは、カバンの選び方がなんとなくわかってきたのではないでしょうか。ここからは実際に人気のカバンやオススメのカバンを紹介していきます。また、葬儀中のカバンはどうしたら良いのか、という疑問がある方もいらっしゃると思うので葬儀中のカバンのマナーも解説していきます。
・おすすめの男性用フォーマルバッグ2選
・葬儀中のカバンのマナー
・葬式用のカバンに入れておくべき基本アイテム
・お葬式など弔事用のカバンは一つ持っておくべき?
・よくある質問(Q&A)
おすすめの男性用フォーマルバッグ2選

葬儀や法要などの弔事にふさわしい、男性用フォーマルバッグのおすすめ2選をご紹介します。お買い求めしやすい価格のカバンと高級なカバンを紹介します。どれもシンプルながら上品なデザインで、必要なアイテムをしっかり収納できる機能性も兼ね備えています。葬式用のカバンを探している方のために、少しでも手助けができればと思います。
1.アノネイカーフ サコッシュ(S)

こちらのクラッチバッグ、付属のショルダーストラップを外せば葬式用のカバンとして使うことができます。先ほど紹介したように、葬式にふさわしい男性用カバンの選び方にすべて当てはまっており、まさに葬式に持っていく男性用のカバンにピッタリのカバンとなっています。葬式時だけでなく、冠婚葬祭すべての場面で使用することができるため、このカバンを持っておくだけで冠婚葬祭時のカバンで迷うことはなくなります。更にショルダーストラップをつければ、普段のお出かけやデートなど普段遣いとして使用することもできます。
カバンの特徴としては、外装に採用しているフランスの高級皮革メーカー・アノネイ社の上質感あふれる「カーフ」は、しなやかな触り心地とレザーとは思えないほどの軽さが魅力で、コンパクトなサイズ感と程よい収納性を備えた手軽な使い心地とともに、日常使いに欠かせなくなる相棒感を醸成。付属の「2カラビナ ショルダーストラップ」(付属なしの購入も可)を外せば、手持ちポーチやバッグインバッグとしても使えるなど、自分のライフスタイルに合わせて自由に扱える愛着感ももたらしてくれます。ショルダーストラップなしを選ぶと税込み5,500円安く購入することができるので、冠婚葬祭以外で使う予定のない方はショルダーストラップなしがおすすめです。
2.HAPPINESTLINE クラッチバッグ
こちらのクラッチバッグも冠婚葬祭はもちろん、私生活でも使用することができるため、これ1つあればあらゆる場面に対応することができます。税込み6,499円と安すぎず、高すぎずの値段なので安心して購入することができます。
3つのデザインから選ぶことができるため、自分の好みのカバンを購入することができます。口コミにも冠婚葬祭用で購入したという声も多く見られます。冠婚葬祭用で1つ購入しておくと、急に必要になったときにも慌てずに済むので、準備しておくことをおすすめします。
こんな人におすすめ
・高級なカバンはいらないけれど、安すぎるのもすぐ壊れそうで怖いという方
・冠婚葬祭の時だけでなく私生活でも使うのである程度、強度があるものが欲しい方
葬儀中のカバンのマナー

葬儀中のカバンの扱いには、「目立たず・音を立てず・周囲を邪魔せず」という基本姿勢が求められます。バッグのサイズや形だけでなく、その場での振る舞いが、遺族や周囲の人々への礼儀として映るのです。大人として恥ずかしくない所作を身につけるためにも、葬儀の場ではカバンひとつにまで心を配ることが大切です。静かな所作と控えめな佇まいが、何よりの礼儀になることを忘れないようにしましょう。
焼香時のカバンの扱い方
焼香は、故人に最後のお別れを伝える厳粛な儀式です。全員の注目が集まる場面でもあるため、持ち物の扱い方にはとくに注意を払いましょう。
お焼香時には手荷物は持って行かずに、座っていたイスに置いておきましょう。ただし、最近はお焼香台の近くにバッグ置き場が設置されている場合もあるため、このような場合は、バッグ置き場にバッグを置いてからお焼香しても問題ありません。会場に入った際にバッグ置き場があるかないか確認しておくとスムーズです。また、先にお焼香している人がバッグをどこに置いているか確認しておくと、自分の番になった際にも慌てずに済みます。
誤っても焼香台や祭壇にバッグを置くのは絶対やめましょう。焼香台は故人へ手を合わせる神聖な場所です。バッグを台に置くことは非常に失礼にあたるため、どんなに荷物が重くても絶対に避けてください。
式中の着席時のカバンの置き方
式典が進行する中での着席中も、バッグの置き場所や扱いにはマナーがあります。周囲の参列者に配慮したスマートな置き方を心がけましょう。
お葬式会場で椅子に座っている間は、膝の上か背中と椅子の背もたれの間にカバンを置きましょう。空いている席にカバンを置いたり、椅子の背にかけたりするのはマナー違反になるため注意が必要です。カバンが大きくて膝の上や背もたれに置けない場合は、周囲の方の迷惑にならないように最善の注意を払って椅子の下に置きましょう。ここでも見栄えが悪くならないように気をつけましょう。
バッグの音や動作にも注意を
バッグを置くときや持ち上げるときに音を立てないように配慮することも大切です。硬い床の上に置く場合は、静かにゆっくりと下ろすようにしましょう。開閉時のファスナー音や金具の音もできる限り抑え、式の進行を妨げないように心がけます。
葬式用のカバンに入れておくべき基本アイテム

葬式に持っていくカバンの中身は、必要最低限かつマナーにかなったものだけを厳選して入れるのが基本です。持ち物が多すぎると所作が乱れたり、カバンがかさばって不格好に見えることもあります。以下では、男性が葬儀に持参すべき持ち物を目的別に整理しながら詳しく解説します。
1. 香典袋(こうでんぶくろ)
- 香典は、葬儀において最も大切な持ち物のひとつです。
- 香典袋はあらかじめ記名と金額を記入し、中身(現金)をセットしておきましょう。
- 水引やデザインに気を配り、通夜と葬儀での使い分けにも注意が必要です。
- カバンの中では折れ曲がったり汚れたりしないよう、袱紗(ふくさ)に包んで持参するのが正式なマナーです。
2. 袱紗(ふくさ)
- 袱紗は香典袋を包むための布で、格式あるマナー品の一つです。
- 男性の場合は紫・紺・グレーなど落ち着いた色が好ましく、金封タイプ(簡易フォルダー型)でも問題ありません。
- カバンの中に入れる際は、香典袋を中に収めた状態で、取り出しやすくしておくのが理想的です。
3. 数珠(じゅず)
- 仏式の葬儀では必須の持ち物です。焼香の際に使います。
- 数珠の房が潰れないよう、専用の数珠袋に入れて持参するのが丁寧な所作です。
- カバンの中ではすぐに取り出せるようにしておきましょう。
4. 財布(現金少々)
- 香典とは別に、念のため少額の現金(千円札数枚)を用意しておくと安心です。
- 通夜振る舞いやお車代、受付での不意な支払い対応にも備えられます。
- クレジットカードや電子マネーはあまり使う場面がないため、あくまで現金が中心です。
5. ハンカチ(黒・白など落ち着いた色)
- 涙をぬぐう、手を拭くなど用途の多いアイテムです。
- 柄付きや派手な色は避け、白や黒の無地ハンカチが無難です。
- ポケットティッシュも併せて入れておくと安心です。
6. スマートフォン(マナーモード/電源OFF必須)
- 通信手段として持参はしますが、式場では必ずマナーモードか電源OFFにしましょう。
- サイレント通知も振動が響くことがあるため注意が必要です。
- 電源を切る、もしくはカバンの中で通知音が出ないよう管理しましょう。
【カバンの中身は最小限に、整理整頓を】
葬式用のカバンの中は、以下の3つを意識して整理しましょう。
- 「静かに、スムーズに取り出せるか」
- 「見られても恥ずかしくない中身か」
- 「詰め込みすぎていないか」
バッグを開いたときにごちゃついていたり、音が鳴ったりするようでは、格式ある場にふさわしくありません。中身は事前に確認し、整理整頓された状態で持参することが大人の礼儀です。
お葬式など弔事用のカバンは一つ持っておくべき?

お葬式や通夜などの弔事において、専用のフォーマルバッグを一つ用意しておくことは、非常に重要であり、かつ便利な備えとなります。特に男性の場合、「弔事用のカバンを持っていない」「急な訃報でカバン選びに迷う」といった声も少なくありません。日常的にはあまり使わないものだからこそ、いざという時のために、一つしっかりとしたものを用意しておくと安心です。
急な訃報は予告なく訪れるものです。前日や当日にカバンを探して慌てることのないよう、フォーマルウェアと一緒に「弔事用カバン」をひとまとめにしておけば、そのまま一式持って出かけられるという安心感も得られます。特に社会人としては、取引先や上司、親族などの訃報に対して落ち着いた対応が求められる場面もあるため、こうした備えは大人のたしなみとも言えるでしょう。
したがって、まだ弔事用のカバンを持っていないという方は、この機会に一つ、マナーを満たしたフォーマルバッグを選んでおくことをおすすめします。シンプルな黒のクラッチバッグであれば、年齢や職業にかかわらず長く使うことができ、一つ持っておくだけで、いざという時の振る舞いに自信が持てるようになります。礼儀正しさは、服装だけでなく、持ち物にも表れるものです。弔事にふさわしいカバンの準備は、相手への敬意を形で示す、大切な第一歩と言えるでしょう。
よくある質問(Q&A)
Q1. カバンを持たずに香典だけ持って行っても大丈夫ですか?
→ もちろん可能です。手ぶらで行くこと自体が失礼になるわけではありません。ただし、ポケットに香典や数珠、財布などを詰め込むと見た目が不自然になり、礼服のシルエットも崩れてしまいます。スマートな印象を保つためにも、コンパクトなカバンを持参するのが無難です。
Q2. 黒いビジネスバッグなら使っても大丈夫?
→ 条件付きでOKです。シンプルで無地、金具などの装飾が目立たないものであれば、葬儀でも使用可能です。逆にブランドロゴが大きく入っていたり、デザイン性が強すぎるものは避けましょう。
Q3. ショルダーバッグしか持っていません。使えますか?
→ 絶対NGではありませんが、会場内では肩から外して手に持つのがマナーです。ベルトが太くスポーティな印象のものや、カジュアルな素材のものは避け、可能であればセカンドバッグの購入を検討しましょう。
男も葬式にカバンを持っていくべきなのか?男性用カバンを徹底解説を総括
✅️男性も葬儀の場においてはカバンを持って行くべき
✅️葬儀には意外と多くの持ち物が必要で、ポケットに入れているとだらしなく見えるため、カバンに入れましょう
✅️派手な装飾やブランドロゴが目立つバッグ、明るい色やカラフルなデザインのバッグ、カジュアルな素材、大きすぎるバッグ、使用感が強すぎるボロボロのバッグはNG
✅️色は黒、素材は本革・合皮・ナイロンなど、デザインは装飾のないシンプルな形、大きさは小〜中サイズ、持ち方は肩掛けを避ける
✅️クラッチバッグやフォーマルやフォーマルブリーフケース、シンプルトートを選ぼう
✅️使用用途によって自分に合ったクラッチバッグを購入しよう
✅️葬儀中のカバンの扱いには、「目立たず・音を立てず・周囲を邪魔せず」という基本姿勢が求められる
✅️必要最低限かつマナーにかなったものだけを厳選して入れる
✅️専用のフォーマルバッグを一つ用意しておくことは、非常に重要であり、かつ便利な備え
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